キッズアロマ

お父さん、お母さん、お友だちといっしょにアロマテラピーを学べるキッズアロマ。テーマごとに植物に関する知識と理解を深めることができます。
1. 植物と人間

植物と人間

朝ごはん、ちゃんと食べた?子どももおとなも、一日元気にくらすためには、生きていくためには食物を食べなくてはいけない。 さて、けさの朝ごはんはなんだったかな。パン、目玉やきにソーセージとトマト、それから牛乳。これらの食物は何からできているだろうか。
パンはコムギの粉、目玉やきはニワトリがうんだたまご、ソーセージはブタの肉、トマトはトマトの実、牛乳はウシのお乳。コムギとトマトは植物。たまごとブタ肉と牛乳は動物。そう、人間はほかの生き物を、つまり動物や植物を食べて生きている。
生き物を食べなければ、自分の体をつくることもできないし、働くためのエネルギーもつくりだせない。人間だけじゃない。どんな動物も、ほかの生き物を食べて生きている。

ああああ

でも植物はちがう。空気中の炭酸ガスと、水と、太陽のエネルギーから自分の体をつくってしまう。地球上の生き物で、ほかの生物を食べずに生きていけるのは植物だけ。

人間は植物がいなければ生きていけない。
人間が食料にしているニワトリやブタやウシだって、もとをたどれば植物を食べて生きているんだから食べ物だけじゃない。
人間は空気中に酸素がなかったら死んじゃうけど、その酸素も植物がつくっている。植物は自分の体をつくるのに、炭酸ガスをすって、酸素をはき出しているんだ。
おおむかし、地球上の空気は炭酸ガスだらけだった。それをせっせと酸素にかえたのは、今の植物の祖先。酸素ができたので、酸素で呼吸する生き物がうまれた。恐竜や、鳥や、ほにゅうるいが地球上であらわれるのは、もっともっとあとのこと。

人間は、誕生したときからずっと植物とくらしてきた。植物のつくった酸素をすって、植物を食べ、それから着るものや住まいにも植物をつかった。

今のような医学が発達するまえは、薬も植物にたよっていた。けがをしたときのぬり薬、病気になったときののみ薬、たくさんある植物のなかから、どうやって見つけたのだろうか。

植物と人間

今は、よくきく薬が沢山あるから、薬がわりに植物をつかうひつようはない。でも、長いこと人間が薬としてつきあってきた植物には、なかなかおもしろいものがある。
病気というほどじゃない、なんか気分がよくない、なんていうときに、もしかすると役にたつかもしれない。どこもわるいところなんかなくても、すてきなにおいにうっとりして気分のよくなる植物もあるしね。

2. 植物の香り

2. 植物の香り

地球上の生き物のなかでただ一つ、ほかの生き物を食べずに生きていける植物。炭酸ガスと水と太陽エネルギーで、自分の体をつくってしまう植物。そんな、すごい力をもっている植物だけど、植物は動けない。
植物は、しゃべれない、声をだせない。動物のように走ったり、ほえたりできない。鳥のように空を飛べない。植物はとても、不自由かもしれない。

植物の香り

でも地球上で、動物なんかよりずっと長く生きて、はんえいしてきた植物は、したたかに生きるくふうをしている。その一つが、植物が作りだす化学物質。そう、植物の体は化学工場みたいに、いろんな物質を作りだしている。
花粉を運んでもらうために香り物質で、チョウやハチをおびきよせる。虫に葉っぱを食べられないように虫のきらいな物質を葉っぱにためこむ。カビやバイキンをふせぐ物質も作れる。
自分のテリトリーを守るために、ほかの植物のタネがめを出せないようなバリア物質もつくってしまう。植物が作りだす、いろんな力をもった化学物質に、人間が目をつけないわけがない。
人類は、その誕生からずっと植物にたよって生きてきた。植物にかこまれてくらしてきた。たくさんの人がいろいろためしてみて、役に立つ植物を見つけて、役に立つ成分をとりだす工夫をしたんだろうね。
ある植物の葉っぱをすりつぶして傷ぐちにぬったら、傷が早くなおった。ある植物の根をぐつぐつ煮て飲んだら、おなかの痛いのがなおった。ある植物の実をくだいて肉にふりかけたら、肉がなかなかくさらなかった。ある植物のみきから流れだすヤニを燃やすと、その煙は神さまにとどくかと思われる香りだった。 ある植物の花をまくらもとにおくと、とても気持ちよくねむることができた。

植物の香り

今は、よくきく薬が沢山あるから、薬がわりに植物をつかうひつようはない。でも、長いこと人間が薬としてつきあってきた植物には、なかなかおもしろいものがある。
病気というほどじゃない、なんか気分がよくない、なんていうときに、もしかすると役にたつかもしれない。どこもわるいところなんかなくても、すてきなにおいにうっとりして気分のよくなる植物もあるしね。

3. アロマテラピーと精油

3. アロマテラピーと精油

ここのサイトを見てくれているきみのことだから、「アロマテラピー」っていうことばは知ってるね。
アロマは香り、テラピーは治療(ちりょう)といういみ。
体や心の調子がよくないとき、 植物の香り成分でなおそう、というのがアロマテラピー。ちなみに、テラピーはドイツ語またはフランス語、英語ではセラピー。アロマは英語でもアロマ。

3. アロマテラピーと精油

アロマテラピーには、植物からとれる精油(せいゆ)をつかう。
おさしみについているシソの葉っぱ。シソの葉を指でもむと、いいにおいがするね。え、もしかしたら、あのにおいきらいかな?
においは人によってすききらいがあるからね。 ミカンはそのままでもいいにおいだけど、ミカンの皮をつめでつぶすと、プンとかおりがたつ。
シソの葉やミカンの皮には油滴細胞(ゆてきさいぼう) という細胞があって、香り成分をためこんでいる。それをとり出したものが精油。
シソの葉などから精油をとりだすときは、水蒸気蒸留(すいじょうきじょうりゅう)という方法をつかう。
葉をたくさんつめこんで、下からあつい水蒸気(すいじょうき)をどんどんおくると油滴細胞がこわれ、 葉の中の香り成分が水蒸気といっしょに気体になって出てくる。
それを冷やすと水蒸気は水になる。 香り成分は水にとけないので、水の上の方にういている。
これを水からとり分けたのが精油。
ミカンるいから精油をとるときは、皮をつぶしてしぼって、その汁を遠心分離器(えんしんぶんりき) にかけて香り成分をとり分ける。
こうしてとり出された精油はもとの植物にくらべるとほんのわずか。 精油は小さなビンにたいせつにつめられる。

3. アロマテラピーと精油

お家の人と精油の売り場に行くことがあったら、 においをかいでみてね。 植物によってみんなちがう香りがするよ。
植物はしゃべれないけれど、 精油はもしかしたら植物の「ことば」かもしれない。
今回は、むずかしいことばがいくつも出てきたけど、 わすれちゃっていいよ。
精油ってことばだけおぼえていてね。

4. 植物のファミリー … シソ

4. 植物のファミリー … シソ

「ファミリー」ということばは知ってるね。「ファミリー」は家族(かぞく)。たとえば「ファミリーレストラン」は家族みんなできがるに行けるレストランのこと。きみの名字が山田なら、きみの一家を「山田家の人びと」とか「山田ファミリー」とかよぶ。ファミリーは、ひとつのまとまり。 ところで植物の世界でファミリーといえば、科(か)のこと。タンポポやヒマワリはキク科、つまりキクファミリーだ。バラ、サクラ、リンゴはバラ科。ダイコンやキャベツはアブラナ科。きょうつうのとくちょうをもった集まりが「科」。

4. 植物のファミリー … シソ

アロマテラピーには精油(せいゆ)をつかう。精油は植物からとる。植物のことを知ろうとおもったら、その植物がなんという科なのかわかると、なかなか便利だ。
「アロマテラピーと精油」にでてきたシソはシソ科のメンバー。
シソ科はとてもわかりやすいファミリーだ。顔を見ただけで、「あなた、シソ家のひとでしょ」とわかってしまう。

まず、花にとくちょうがある葉っぱは、たがいちがいでなく、向きあってついているまず、花にとくちょうがある。口をぱっくりあけたような花が横むきにさく。 唇形花(しんけいか:くちびるのかたちの花)という。花びらは下のほうはくっついてつつになっている。 それから茎(くき)は四角形。ふつう植物の茎は丸いのにね。 葉っぱは、たがいちがいでなく、向きあってついている。 いじょう、シソファミリーのとくちょう。 日本人は古くからシソをとてもよく利用してきた。 おさしみにはかならず、みどり色のシソの葉がついているね。シソは香りがいいしいろどりにもなる。
赤い葉のシソは、ウメボシを作るのになくてはならない。ウメボシのあの赤い色はシソの葉の色。 シソがつかわれるのは、香りや色のためだけじゃない。シソの葉には抗菌作用(こうきんさよう:バイキンがふえるのをおさえる力)があるんだ。昔の人もけいけんで知っていて使ったんだろうね。香りの強い植物には、抗菌作用があることが多い。

4. 植物のファミリー … シソ

シソ科のもう一つのとくちょう。 香りの強いものが多い。 だから、シソ科はアロマテラピーでとてもじゅうようなファミリーなんだ。
シソ科の草は身のまわりにもよくはえているから、さがしてみてね。 かならず茎にさわってみよう。

5. アロマテラピーの代表選手 … ラベンダー

5. アロマテラピーの代表選手 … ラベンダー

ラベンダーはシソファミリーのメンバーで、そして、アロマテラピーの代表選手。アロマテラピーでいちばんよく使われる精油(せいゆ)がラベンダー。
夏のはじめにさくラベンダーの青むらさきの花を見たことがあるかな。ラベンダーばたけに立つと、もう空気はラベンダーのかおりでいっぱい。
ずっとむかしから人間に利用されてきたのに、医学の発達とともにわすれられていた植物の力を、ガテフォッセは思い出させてくれたまだほとんどがつぼみのラベンダーの花穂(かすい:花のついているほ)をかりとって、かんそうし、蒸留(じょうりゅう)してとれるのがラベンダーの精油。

5. アロマテラピーの代表選手 … ラベンダー

アロマテラピーの歴史(れきし)をかたるとき、かならずといってよいくらい出てくるはなし。
今から80年ほど前、フランスの化学者ガテフォッセが実験室(じっけんしつ)で、手にヤケドをしてしまった。ガテフォッセはとっさに、そばにある液体(えきたい)に手をつっこんだ。すると、いたみはたちどころにきえ、キズはおどろくほど早くなおった。
この液体がラベンダー精油だったというわけ。
ものの本には「ぐうぜんそばにあった」なんて書いてあるけど、ガテフォッセは精油の研究をしていて、ラベンダー精油が何にきくかも知っていたんだろうね。化学者ともあろうものが、そばにあったからといって、むやみに手をつっこむはずがないもの。
アロマテラピーの歴史(れきし)をかたるとき、かならずといってよいくらい出てくるはなしずっとむかしから人間に利用されてきたのに、医学の発達とともにわすれられていた植物の力を、ガテフォッセは思い出させてくれた。この植物の力を「アロマテラピー」と名づけたのもガテフォッセだ ラベンダーの花は米つぶみたい。それは、つぼみのうちにかりとるからだリボンであみこんだラベンダーの花たばや、においぶくろにしたラベンダーを、おみやげにもらったことがあるかもしれない。
ラベンダーの花は米つぶみたい。それは、つぼみのうちにかりとるからだ。つぼみのうちにかりとったほうが、かおりがいっぱいつまっているから。

5. アロマテラピーの代表選手 … ラベンダー

花がさくと、5つの小さな花びらがパチッとひらいて、かわいらしい米つぶのように見えるのは、花をつつんでいるガク。ガクはつつがたで、むらさき色をしている。花がさくと、5つの小さな花びらがパチッとひらいて、かわいらしい。よく見れば、上2まい、下3まいにわかれ、くちびるの形をした唇形花(しんけいか)。花びらの下のほうはくっついて、つつになっている。もちろん、葉は向きあってつく対生(たいせい)、茎は四角。まぎれもないシソ科の一員だ。

6. ラベンダー畑を見てきた

6. ラベンダー畑を見てきた

アルプスをこえる高速道路
イタリアの北の地方、ピエモンテというところまで、ラベンダー畑を見に行ってきたよ。夏至(げし)のころドイツからバスでアルプスをこえて行ったんだけれど、イタリアは太陽がさんさんとふりそそぎ、暑かった。
丘の上の教会
ピエモンテは巨人の砂場ってよばれてるんだって。まるで巨人が砂あそびで作ったみたいな小さな丘(おか)がいくつもいくつもある。丘の上には古い教会があったり、古い塔(とう)があったり。

6. ラベンダー畑を見てきた

その昔、ピエモンテでは香りのよい植物をたくさん育てて精油(せいゆ)をつくり、香水の原料としてフランスへ売っていた。昔の香水は植物や動物から作っていたから。でも技術(ぎじゅつ)が進んで、香水の原料は化学工場で作るようになった。工場で作る原料の方が安いし、季節(きせつ)にも天候(てんこう)にも関係なく、いつでも手に入る。精油が売れなくなったので、ピエモンテの農家の人たちは農業をやめて、そのころさかんになってきた自動車工場につとめるようになったりした。それが、130年ほど前のこと。
丘の斜面(しゃめん)にひろがるラベンダー畑
今から20数年前、残っていた9軒(けん)の農家が立ち上がった。うち捨てられていた畑にラバンディンを植えた。
有機栽培(ゆうきさいばい)で育ったラベンダー
ちょうどそのころドイツではアロマテラピーが広まりはじめ、まだできたばかりのプリマヴェーラライフ社の人は、よい精油のとれる植物をさがしていた。プリマヴェーラライフ社の人は、植物には土や天候などにそれぞれ好みがあり、その植物にあった土地で育てればすくすく元気に育つと考えている。そして農薬や化学肥料(かがくひりょう)を使わない有機栽培(ゆうきさいばい)は、植物も土地も力強くすると。 ピエモンテの植物はそれにピッタリだった。もともと香水の原料になる植物にてきした土地だったし、それに100年も畑が捨てられていたので、農薬に汚染(おせん)されてないしね。

ラバンディン: ラベンダーの一種。茎(くき)がかたくて背が高く、花をつける茎が枝分かれしている
ラバンディン: ラベンダーの一種。茎(くき)がかたくて背が高く、花をつける茎が枝分かれしている

6. ラベンダー畑を見てきた

プリマヴェーラライフ社の人も協力して、精油の原料になる植物を作る農家がふえ、今ではラベンダー、ラバンディン(ラベンダーの一種)、セージ、メリッサ、カモミールなど12種のハーブを57軒の農家の人たちが作っている。精油をとる蒸留所(じょうりゅうじょ)は2か所。ピエモンテの太陽をあびて元気に育った植物から質のよい精油が作られている。

7. ソーセージ

7. ソーセージ

人類は、どうやってソーセージを発明したのかなって、考えたことある?
ソーセージは好き?
人類は、どうやってソーセージを発明したのかなって、考えたことある? わたしは、こんなふうに考えるんだけど… 食べることは、他の生命をいただくこと肉を食べるために、かっていたブタを殺す。それは、子ブタのときからずっとエサをやり、けっこうかわいがっていたブタかもしれない。 「食べることは、他の生命をいただくこと」って教えられるけど、頭ではわかっても、あまり実感ないよね。
でもそうやって、昨日までブーブーいってたブタを殺して食卓にのせたら、きっと身にしみてわかるんだろうね。肉を食べるって、そういうことなんだ。

7. ソーセージ

さてブタ1ぴき。 ロースは焼いてメインディッシュかな。かたいスネ肉はコトコト煮てシチュー。食べきれない肉のかたまりは塩づけ。内臓(ないぞう)だって、それぞれ工夫して食べたり保存したり。皮は服やカバンに仕立てる。
大切なブタ、ちょっとだってむだにはできない。こまかいくず肉は、よせ集めて、たたいて、塩と香りのよいハーブをまぜてこねて、腸(ちょう)につめて、けむりでいぶす。それがソーセージ。くず肉をむだにしない、いろんな部分の肉や内臓と塩とハーブがまじりあっておいしい、保存もきく、腸のプチンプチンとした食感も楽しい、ソーセージは人類の偉大なる発明だと思う。
ソーセージに使われる香草の代表がセージ。セージをかならず入れるからソーセージ 、って名前がついたんだって。セージは、肉や内臓のにおいを消しておいしくしてく れる。そして、もっと大事なこと、ソーセージをくさりにくくしているんだ。
むかしヨーロッパでペストがはやったとき…
セージといえば、こんな話がある。
むかしヨーロッパでペストがはやったとき…、うん、ペストというのは恐ろしい伝染病(でんせんびょう)で人がバタバタと死んだ。家族全員が死んでしまった家もたくさんあった。4人組のドロボーがいて、そんな「死の家」をあらしまわった。
ずいぶんかせいだけど、けっきょくはつかまり、死刑になることになった。

でも、なぜ、4人のドロボーは「死の家」をわたり歩いたのに、ペストにかからなかったんだろう? 「その秘密を教えたら死刑はめんじょする」と言われた。
4人のドロボーの秘密兵器、それはとくべつな酢。その酢には、セージ、ローズマリー、アンゼリカ、ミント、ラベンダーが入っていた。4人のドロボーは死刑をまぬがれ、それから「秘密の酢」はみんなのものになったそうだ。

7. ソーセージ

セージ、ローズマリー、アンゼリカ、ミント、ラベンダー、全部アロマテラピーでよく使われる植物だ。アンゼリカをのぞいて、すべてシソ科の植物。アロマテラピーの歴史も、シソ科植物の力も、なかなか奧深いものである。